モノがもたらす世界

モノと幸せ

足の踏み場がない。世界はこんなに広いのに。
なぜ?私の部屋は、私の家はなぜこんなに窮屈なの?
どうして理想の暮らしが出来ないの?
そんな悩みを抱えている人は本当に多いよね。

全ては自分のキャパを読み違えていることに起因する

皆さまご自分のキャパって認識してます?
私が認識したのはいつだったかさっぱり覚えていませんが、今はちゃーんと認識しています。

インテリアが好きで、小物や雑貨が大好きです。
が!がしかし!掃除は嫌いです。極度のズボラです。
かわいい雑貨に降り積もる埃、隙間という隙間に入り込む埃。
それらを日々払える細やかさを私は持ち合わせていません。

ええ。気がついていましたよ。
気が付いていましたが、モノによってキラキラ輝く理想の暮らしが手に入ると信じて疑わなかった。
おしゃれで可愛い雑貨。なんか良さげな缶。たくさんの洋服。それに合わせるカバン。いつか使える丈夫でおしゃれな紙袋。肌を綺麗に見せたい化粧品。髪を美しく保つためのヘアケア商品。
ありとあらゆる『必要な』モノの山。
これらが10年近く私をじわりじわり苦しめると誰が思ったでしょう。
タイムマシーンに乗って当時の私の耳元で「お前のキャパ極小!」と叫びに行ってやりたい!ドラちゃーん!

視界に入る景色は心に影響を与える

ひとつひとつは気に入っているモノが多かったのに、なぜか心は健やかではない。
そりゃそうだ。
埃を被り他の物に紛れ、お店で手に取った時の可愛さお洒落さは幻想だったのかと思うほどの有り様。

これを買えば自分はお洒落になれる。
センスの良い友達が持ってたモノが欲しい。
それがあればかわいい、かっこいい自分になれる。
そして際限なく増えるモノ。
モノ対する期待値がとても高いのに、モノを大切にする気持ちがない。
モノだけを見て全体が見えてない視野の狭さに気が付かない。

部屋に入るといつもぼんやりとする。
集中力も無い、やりたい事もない。
毎日楽しいこともあるけど何かぼんやり生きてる感じがする。
イライラもする、焦燥感、不満足感。
小さい原因はいろいろあったんだと思うけど、根本的な原因がモノの多さだと気が付いたのはずっと後のこと。
誰か教えて欲しかったよ!

図らずも全捨離

モノの多さが人生の足枷になっているとは思ってもいなかった28歳の頃、私は仕事を辞めた。
周りが結婚し始めそれぞれの人生を前に進めていくのをぼんやりみていたけど、私は?
ただ時間が過ぎることで人生が進んでいる。自分で進めていると思ってたけど違うよね?

変えなければ。このままではずっと子供部屋(当時実家住み)でワガママな偏屈おばさんになって明るい未来など訪れはしない!そう思ってなぜか仕事を辞めた。なぜ。

しばらく実家で家事を担いながらゆっくり過ごした後、とある求人でタイへ行く事になった。
カナダに少し住んでいたし、アメリカやインドに行ったり海外在住の友人もいたりで海外には縁のある人間だったけど、タイのことなど何も知らず。
でもまぁインドよりマシでしょと思って決めた。なぜ。

数ヶ月の予定だったので実家の自室を整理し、スーツケース1つに身の回りの物を詰めて飛んだ。
2ヶ月後、私は現地で知り合った日本人と結婚し移住する事にした。
我ながらぶっ飛んでいたと思う。

海を越えての引っ越しはお金が掛かる。
なのでスーツケースにすぐ使う物や大切な物を入れ、他の身の回りの物はダンボール5箱に詰め込んで船便で送った。
家具や持っていけない雑貨なんかは家族に譲り、他の物は今後帰国の度に少しずつ運ぼうと実家に置かせて貰った。
冬服や日本でしか使わない物も置いていった。

時は経ち、今現在そのほとんど全ての物を所有していない。
少しずつ運ぼうと思っていたモノ達は数年後さっぱり必要なくなり、冬物も数年に一度着るか着ないかの服は20代の私には似合っていたが、30代の私には全く似合わない代物になっていた。
タイに来て数年後、こんまりさんのときめきや、やましたさんの断捨離に出会い、タイの家もどんどんモノが減っていった。

コロナ前、実家の建て替えがあり荷物の整理に帰国したのだけど、ダンボール6箱くらいに入っていた思い出の物は本当に残しておきたい写真以外全部捨てた。

捨てた現在

すっきりしている。視界も心も。何もかもがシンプルで心地良い。
結婚当時までに持っていた物は現在、引き出しに全て収まる量だと思う。

やればできた。
人生は視界に入るモノや、どこかに詰め込んだモノに影響される。
モノは喋らないけど、確実に私たちは圧を感じ取っているんだと思う。
大袈裟に言うならば
捨てることで自分の器を知ることができ
自分の望むことの輪郭が見え
自分の人生を生きる事ができるようになるんだなと思ったりしたりする。

ちなみに気が付くと貯金が700万円を超えていた話はまた今度。

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